特徴

本ページでは,潜在ランク理論(ニューラルテスト理論)の主な特徴について紹介します.

ニューラルテスト理論では,学力を段階評価するためのテスト理論であり,各段階のことを潜在ランク(latent rankと呼んでいます.潜在ランクは,統計くさい用語ですので,必要であれば「学力レベル」「到達度」「能力ステージ」「学習ステップ」などと言い換えてください.大きいランクに所属している受験者ほど能力が高いことを意味しています.

ランク数は,分析者が決めることができます.その際,適合度指標を参考にすることができます.

項目参照プロファイル

項目参照プロファイル(item reference profile, IRPは,項目の振る舞いを見るのに便利で,IRTで言えば,項目特性曲線(item characteristic curve, ICC)のようなものです.現実的な使用のためにIRPに単調増加制約を加えることもできます(強順序配置条件).

テスト参照プロファイル

テスト参照プロファイル(test reference profile, TRPは,IRPの重み付き和であり,各潜在ランクの被験者の期待得点の参考になります.たとえば,潜在ランクがR6である受験者は,このテストに対して15点くらいとるでしょう.11つのIRP単調増加でなくてもTRPはほとんど単調増加になります(弱順序配置条件).NTTの潜在尺度が順序尺度であるのは,TRP単調増加になることを根拠としています.

ランク・メンバーシップ・プロファイル

ランク・メンバーシップ・プロファイル(rank membership profile, RMPは,各被験者のそれぞれの潜在ランクに対する所属確率を見るのに便利です.NTTでは,最尤法やベイズ法によって潜在ランクを推定することが可能です.

潜在ランク分布

 

左の図は,潜在ランク分布(latent rank distribution, LRD)であり,被験者の推定された潜在ランクの分布です.テストのターゲットアビリティの外の被験者を両サイドのランクにまとめる性質があります.SOMの性質でもあります.テストの実務家によっては,被験者を潜在ランクにだいたい等分して段階付けたいという要求があるかもしれません.そのときは,ベイズ推定法を用いて事前分布を与えることができます.右の図は,弱い事前分布をあたえたときの事後LRDです.

ランク・メンバーシップ分布

 

左の図は,ランク・メンバーシップ分布(rank membership distribution, RMD)といいます.各被験者のランク・メンバーシップ・プロファイル(rank membership profile, RMP)の単純和です.LRDが標本の特徴を表現しているのに対して,RMDは母集団の特徴を表現しているといえ」ます.右の図は,弱い台形事前分布を与えたときの事後RMDです.

観測率プロファイル

 

左右の図の破線は,それぞれ,重み付き観測率プロファイル(weighted observation ratio profile, WORP)非重み付き観測率プロファイル(unweighted observation ratio profile, UORP)を表しています.これらは,各潜在ランクにおいて,当該項目(ここではテストレット)の反応率(欠測率)の推移を観察するのに便利です.図より,このテストレットは,上位ランクの被験者により回答されたことがわかります.