拡張モデル

ここでは,潜在ランク理論の拡張モデルについて紹介します.

多値モデルでは,主に項目のカテゴリの特徴を現している項目カテゴリ参照プロファイルについて説明していますが,テスト参照プロファイル,潜在ランク分布,ランク・メンバーシップ・プロファイル,ランク・メンバーシップ分布,観測率プロファイルなどの出力を行うことも可能です.

学習する上で,ベイズ推定・単調増加制約などと組み合わせることも可能です.欠測値にも対応します.また,等化することもできます.

段階的潜在ランクモデル

段階的潜在ランク(graded latent rank, GLR)モデル,または段階的ニューラルテスト(graded neural test, GNT)モデルは,多値の順序データに対応するためのLRT/NTTモデルです.テストレット項目やリッカートタイプの心理質問紙に適用することが可能です.カテゴリ数が2のときは2値モデルになります.

上の図は,境界カテゴリ参照プロファイル(boundary category reference profile, BCRP)です.それぞれの潜在ランクにおいて,当該カテゴリ以上を選択する確率を表現しています.単調増加制約を追加することも可能です.

上の図は,項目カテゴリ参照プロファイル(item category reference profile, ICRP)です.それぞれの潜在ランクにおいて,当該カテゴリを選択する確率を表現しています.上位の潜在ランクに所属する受験者ほど上位のカテゴリを選択していることが分かります.

名義的潜在ランクモデル

名義的潜在ランク(nominal latent rank, NLR)モデル,あるいは,名義的ニューラルテスト(nominal neural test, NNT)モデルは,多値の名義カテゴリデータに対するLRT/NTTモデルです.誤答選択肢を分析するときに有効です.カテゴリ数が2のときは2値モデルになります.

上の図は,NLRモデルのICRPです.赤字のカテゴリは正当選択肢のICRPです.カテゴリxは,選択率が全体の10%に満たないカテゴリをマージしたものです.潜在ランクが大きくなるにつれて正答選択肢を選択する確率が上昇しています.正答選択肢のICRPに単調増加制約を追加することも可能です.下位の潜在ランクの属する受験者に魅力的な誤答選択肢や,事実上,2択問題となっているなど,項目の特徴をより深く知るのにNLRモデルは有効です.